色補正した光学レンズのメリット
光学アッセンブリ品のレンズ枚数を最小化することは、デザインを検討する上で極めて重要です。複数の収差を同時に減らすことのできる一枚レンズを選定することは、この目的を達成する理想的方法になります。例えば、色を補正する非球面レンズは、球面収差と色収差の両方を低減するため、正確な結果と画質が鍵となる一連のアプリケーションに最適になります。
従来の光学レンズで生じる色収差は、光の異なる波長がレンズ光軸上の異なる位置に焦点を結んでしまう現象で、屈折率の異なる光学ガラスから作られた複数枚のレンズを光学アッセンブリ内に用いることで一般に取り除くことができます。しかしながら、色補正する非球面レンズを使って色収差を取り除けば、より少ないレンズ枚数で画像システムをデザインすることができます。レンズ枚数を少なくすることは、光学アッセンブリ全体のサイズや重量を最小化するだけでなく、組立工程も簡略化するため、結果的に低コストで、従来の球面光学素子で組み上げられたアッセンブリ品の性能を凌駕することができます。色収差に関する更なる情報は、色と単色の光学収差をご覧ください。
光学設計者は、収差があるかを確認し、それを補正するため、光学設計ソフトウェアの様々なツールを利用します。このツールの中には、コンピュータ生成のスポットダイアグラムや色別焦点シフトの比較も含みます。スポットダイアグラムは、光学レンズが焦点を結ぶことのできる最小スポットサイズを予測するものです。色別焦点シフトは、光学レンズの焦点距離を波長別に表示します。小さなスポットサイズと程度の低い色別焦点シフトを得ることのできるレンズは、優れた選択となります。色補正した光学レンズのメリットをご理解いただくために、TECHSPEC® ハイブリッド非球面レンズ、TECHSPEC® 非球面レンズ、及びTECHSPEC® アクロマティックレンズ各々のスポットダイアグラムと色別焦点シフト量のグラフを以下に紹介します。
比較するレンズを選定:
- ゲルマニウムハイブリッド非球面レンズ vs. ゲルマニウム非球面レンズ
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ゲルマニウム IR ハイブリッド非球面レンズ
- 3~5μmの波長帯で色補正
- 回折限界に近い集光性能
- 95%を超える透過率を実現
- 多色光源との使用に最適
ゲルマニウムIR非球面レンズ- 中波赤外 (MWIR) と長波赤外 (LWIR) 領域向けにデザイン
- 回折限界性能
- ARコート付きレンズは95%を超える透過率を実現
- 単色光源との使用に最適
- プラスティックハイブリッド非球面レンズ vs. 標準的プラスティック非球面レンズ
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プラスティックハイブリッド非球面レンズ
- 色補正したプラスティック非球面レンズ
- 未コートとVIS用ARコート付きレンズをラインナップ
- 軽量
- 高NA設計
- 多色光源との使用に最適
プラスティック非球面レンズ- 低自家蛍光
- 未コートとVIS or NIR用ARコート付きレンズをラインナップ
- 軽量
- 高NA設計
- 単色光源との使用に最適
- 非球面アクロマティックレンズ vs. 標準的アクロマティックレンズ
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非球面アクロマティックレンズ
- 標準的アクロマティックレンズよりも良好な色補正
- 色収差だけでなく、球面収差も補正
- 多色光源との使用に最適
アクロマティックレンズ- 色補正ダブレットレンズ
- 複数のARコーティングオプション
- 多色光源との使用に最適
- 精密非球面アクロマティックレンズ vs. 精密ガラス非球面レンズ
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精密非球面アクロマティックレンズ
- 色収差と球面収差を補正する非球面レンズ
- オールガラスダブレットレンズ
- 可視スペクトルにわたって回折限界性能を実現
- 低Fナンバー設計
- 多色光源との使用に最適
精密ガラス非球面レンズ- 球面収差を補正
- 複数のARコーティングオプション
- NAの増加に寄与
- マルチレンズシステムと同等の収差補正
- アクロマティックレンズ vs. 球面シングレットレンズ
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アクロマティックレンズ
- 球面収差と色収差を低減するのに最適化
- 多色光源との使用に最適
球面シングレットレンズ- 軽量
- 単色光源との使用に最適
TECHSPEC® ハイブリッド非球面レンズやTECHSPEC® 非球面レンズ、TECHSPEC® アクロマティックレンズといった高性能光学レンズの使用は、上に示したように、光学システムの性能を著しく改善します。高性能な光学レンズを用いることで、スポットサイズと色別焦点シフト量の両方を最小化することができるのです。
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