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SWIRとは?
Edmund Optics Inc.

SWIRとは?

短波赤外 (SWIR)光は、通常0.9~1.7μm波長域の光として定義されますが、0.7~2.5μmの波長域に分類されることもあります。シリコンセンサーの感度の上限値は約1.0μmであるため、SWIRイメージングには特定のSWIR領域においてパフォーマンスを発揮できる独自の光学部品や電子部品が必要となります。インジウム・ガリウム砒素 (InGaAs)センサーは、SWIRイメージングで使用される主要なセンサーで、代表的なSWIR領域をカバーしますが、550nm (最低)~2.5μm(最高)の範囲で拡張できます。リニアラインスキャンInGaAsセンサーは市販されていますが、エリアスキャンInGaAsセンサーは通常ITARで規制されています。ITAR (International Treaty and Arms Regulations; 国際武器取引規則法)は、アメリカ合衆国政府によって執行されています。ITARによって規制された製品は、米国内外での製造や販売に対し、その輸出入規制を厳守しなければなりません。しかしながら、SWIR用イメージングレンズは、適切なライセンスを備えた多くの商用アプリケーションで使用することができます。

Electromagnetic Spectrum Illustrating SWIR Wavelength Range
Figure 1: SWIR波長域を図解した電磁スペクトル

SWIRを使用する理由は何ですか?

SWIR Imaging Lens

対象物自体から放射される中波赤外 (MWIR)や長波赤外 (LWIR)光とは異なり、 SWIRは可視光と同様、光子が対象物によって反射または吸収されるため、高解像イメージングに必要な高コントラストを提供します。天然のSWIR放射の中には星明かりや夜天光があり、屋外や夜間のイメージングでは優れた照明となります。

SWIRイメージングには、その波長域用にデザイン、最適化、コーティングされたレンズを使用することが不可欠です。可視スペクトル用にデザインされたレンズを使用すると、画像の解像度が落ち、光学収差がより増えます。SWIR波長はガラスを透過するため、SWIR用にデザインされたレンズや他の光学部品 (フィルターウインドウなど)は、可視光用の部品を製造する技術を転用することができます。そのため製造コストの削減や、保護用ウインドウやフィルターの使用が、システム内で可能となります。

可視光では実施が困難か、或いは不可能な数多くのアプリケーションが、SWIRを使うことで可能になります。SWIRでのイメージングの場合、水蒸気、霧、シリコンなど一部の物質は透過します。加えて、可視光ではほどんど同一に見える色が、SWIRを使用すれば簡単に識別できることもあります。

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SWIRアプリケーション

SWIRイメージングは、電子基板検査、太陽電池検査、農産物検査、識別分類、監視、偽造防止、工程品質管理、その他様々なアプリケーションにおいて使用されています。SWIRイメージングの利点を理解するため、共通の日用品を題材にして、可視光とSWIRで各々撮像したサンプル画像を見比べてみましょう。

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Visible Imaging of Red Apple
Figure 2a: 赤いりんごの可視光イメージ。りんごが可視光による画像では完全に赤く見えます。キズの判別は容易ではありません。

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SWIR Imaging of Red Apple
Figure 2b: 赤いりんごのSWIRイメージ。りんごにある打ち傷は、SWIRによる画像ではっきりと判別できます。表面上のあらゆる欠陥の検査が容易になります。

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Visible Imaging of Baby Powder Bottle
Figure 3a: ベビーパウダーボトルの可視イメージ。ボトルが可視光による画像では白く光沢のあるように見えます。中身のパウダーはまったく識別できません。

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SWIR Imaging of Baby Powder Bottle
Figure 3b: ベビーパウダーボトルのSWIRイメージ。ボトルはSWIR波長を透過します。中身のパウダーの量が簡単に見えます。

 

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Visible The Last Judgment
Figure 4a: ヤン・プロヴォスト (Jan Provost)作 「最後の審判」。SWIR波長帯よる撮像は、デトロイト美術館により行われました。塗膜の下に隠れた下書きを細かく調べることで、画家が最初に意図していたものを推し量ることができます。著作権者であるデトロイト美術館の許可を得て掲載。

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SWIR The Last Judgment
Figure 4b:実際に描かれた5本のラッパに対し、大天使の下に10本のラッパを確認できます。描かれたラッパの位置によって、帆船の配置も見直す必要があったように見受けられます。地球儀の上部にあるつま先も、当初の下書きと同じ位置に描かれてはいません。著作権者であるデトロイト美術館の許可を得て掲載。

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Visible Bountiful Fruit
Figure 5a:フィラデルフィア在住の画家ニコール・コニツァー (Nicole Koenitzer)による「フルーツ盛り合わせ」。油絵を描く際に画家の構想が移ろう様子が見てとれます。SWIR波長帯で絵を調べることにより、初期のスケッチから描画、そして仕上げの修正に至る画家の構想の過程が分かります。

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SWIR Bountiful Fruit
Figure 5b:ご覧の通り、初期の構想には、最終的に描かれなかったバナナや額縁を見ることができます。また右下部には、可視波長帯では確認できない斑点があります。おそらく、画家は当初、異なる素材で背景を描き始めたものの、その後気が変わって描画を修正したものと思われます。

短波赤外 (SWIR)は特定の波長域を示しており、その波長域において光学部品や電子部品がデザイン、コーティングされます。SWIRイメージングは、検査、分類、監視、品質管理、その他多くのアプリケーションに用いられる時、可視光に比べて多くの優位性があります。最大の解像力と最小の収差量を確実なものとするために、SWIR波長帯用にデザイン、最適化、コーティングされた部品を選ぶことが重要です。エドモンド・オプティクスのように、SWIRレンズのデザイン、製造、コーティングの経験に長けたメーカーもあります。エドモンド・オプティクスは、SWIRスペクトルでの性能に最適化したガラスを用いて設計し、SWIR波長の透過率を最大化するよう特別にデザインした反射防止 (AR)コーティングを採用する組みレンズをご用意しています。SWIRイメージングのアプリケーションページをご覧いただき、エドモンド・オプティクスがお客様にご提供できること、そして「可視を超えたものが見えますか?」の質問への答えをご確認ください。

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