直進移動アッセンブリの光学ケージシステム内への実装
TECHSPEC® ケージシステム用直進移動アッセンブリは、TECHSPEC® 光学ケージシステムに直進移動を加えるために用いられます。作り付けの移動アッセンブリ品により、ケージ用ロッドに沿った粗動位置決めを可能にします。ケージ用ロッドに一旦固定した後は、マイクロメータードライブを加えることで微動移動を行うことができます。キットに付属の圧縮用ばね (一対)で12.7mmの直進移動が可能ですが、#86-838 圧縮用ばねを追加することで、移動量を25.4mmに拡張することもできます。TECHSPEC® ケージシステム用直進移動アッセンブリには、次の2つのオプションを用意しています。
シンプル移動とは?
#85-618 シンプル移動用のアッセンブリは、既存のケージシステム内に使われている2本、或いはそれ以上の6mm径ロッドに沿って組み付けることができます。シンプル移動用のアッセンブリを構成する際は、#85-618 マイクロメーター固定キットが必ず必要になります。このキットは、マイクロメーターホルダー、保護用スチールプレート、そして2個の圧縮用ばねで構成されます。9.5mmのステム径を有するマイクロメーターや送りねじのドライブ用パーツは別売りです。必ず併せてご使用ください。
シンプル移動用のアッセンブリには、2枚の固定プレートを別に用います (Figure 1)。うち1枚のプレートは、光学素子をプレート内径内に固定し、ロッドに沿って直進移動を行うために用いられます。残りのプレートは、位置固定で、圧縮用ばねの受け側に用いられます。圧縮用ばねの受け側に用いるプレートは、#86-845 シャフトカラー (2個1組)に置き換えることもできます (Figure 2)。 補足: 実装を容易に行うために、シンプル移動用アッセンブリとプレートに関するSolidWorks®社の3次元CADデータ(ZIP 2.2MB)、或いはシンプル移動用アッセンブリとシャフトカラーに関する同データ (ZIP 3MB)をダウンロードください。
Figure 1: シンプル移動用アッセンブリとプレートの組み合わせ
Figure 2: シンプル移動用アッセンブリとシャフトカラーの組み合わせ
シンプル移動用アッセンブリ
- 固定プレートかシャフトカラーを6mm径ロッド中に通します。現時点では、位置を固定せずにしておきます。なおロッドは最低2本必要になります。
- 隣り合う2本のロッドにプレートかカラーを通した後に、圧縮ばねを各々のロッドに入れます。移動量を12.7mmから25.4mmに拡張する場合は、ここに別の圧縮ばねを更に加えます (Figure 3)。
- M3のキャップスクリューを用いて、移動用のプレートに保護用スチールプレートを装着します。次にこの移動用プレートをロッド中に通します。この時、装着したスチールプレートが先に取り付けた圧縮ばねを入れた2本のロッドの間に来るように配置します。スチールプレートを装着した面は、圧縮ばねとは向かい合わないよう配置してください。
- 移動用プレートを固定したいおおよその位置に配置し、一時的に固定します。残りのアッセンブリの組立てが完了するまでの暫定固定になります (Figure 4)。
- M3のセットスクリューを用いて、マイクロメーターや送りねじ等のドライブ用パーツをマイクロメーターホルダー内に固定します。次に、ドライブ用パーツのスピンドル位置を中間位置に調節します。
- マイクロメーターホルダーを先に圧縮ばねを通した2本のロッド中に通し、ドライブ用パーツのスピンドル先端部がスチールプレートに接触するように配置します。M3セットスクリューでマイクロメーターホルダーを6mm径ロッドに固定します。
- 固定用のプレートを移動用のプレートに向けて押し出し、間に入れた圧縮用ばねを圧縮します。この時のばねの長さは、何も圧縮していない状態の長さの3/4程度の長さになるよう、固定用のプレートを押します。ばねの圧縮状態を維持したまま、固定用のプレートをロッド中に位置固定します。
- 上記ステップ4で移動用のプレートを固定した場合は、固定したねじを緩め、移動用のプレートが自由に移動できるようにします。マイクロメーターや送りねじ等のドライブ用パーツを動かせば、この移動用のプレートが連動して動くようになります (Figure 5とFigure 6)。
Figure 3: ロッドと圧縮ばねの配置
Figure 4: ドライブ用パーツを取り付ける前のシンプル移動アッセンブリ
Figure 5: シンプル移動用アッセンブリとプレートの組み合わせによる完成形の映像
Figure 6: シンプル移動用アッセンブリとシャフトカラーの組み合わせによる完成形の映像
ボールベアリング移動とは?
精密なボールベアリング移動を追加することで、低摩擦移動が可能になります。#86-847 ボールベアリング移動用アッセンブリは、既存のケージシステム内に使われている2本の6mm径ロッドに沿って組み付けることができます。このキットは、以下の部品で構成されます。
- #85-618 マイクロメーター固定キット (マイクロメーターホルダー、保護用スチールプレート、及び2個の圧縮用ばねで構成)
- #85-620移動用ベアリングプレート
- #85-619固定用ベアリングプレート
- #85-686直進ベアリング用ブッシュx 2
- #85-47050mm長3mm径ロッド x 2
ボールベアリング移動を完成するには、9.5mmステム径を有するマイクロメーターや送りねじ等のドライブ用パーツも必要になります (Figure7)。 補足: 実装を容易に行うために、ボールベアリング移動用アッセンブリに関するSolidWorks®社の3次元CADデータをダウンロードください (ZIP 2.9MB)。
Figure 7: ボールベアリング移動用アッセンブリ
ボールベアリング移動用アッセンブリ
- 2本の3mm径ロッドを、固定用のベアリングプレート中の同径ロッド用の穴に挿入します。この時、ロッド末端部がプレートの後面側に揃え、M3セットスクリューでロッドをその位置に固定します。
- 隣り合う2本の6mm径ロッドに固定用のプレートを通します。この時、2本の3mm径ロッドは、6mm径ロッド各々のすぐ上に来るように配置します。固定用のプレートは、現時点ではロッド上に位置固定しないようにします。なお6mm径ロッドは、2本を超えて用いないようにしてください。次に、圧縮ばねを各々の6mm径ロッドに入れます。移動量を12.7mmから25.4mmに拡張する場合は、ここに別の圧縮ばねを更に加えます (Figure 8)。
- 2個の直進ベアリング用ブッシュを移動用のベアリングプレートにある7mm径の穴に挿入し、M3セットスクリューで固定します。次に、保護用スチールプレートを移動用のプレートに装着します。この時、プレートに装着したブッシュを下に向けて装着します。移動用のプレートをロッド上に通し、3mm径ロッドが直進ベアリング用ブッシュの中を通るようにします。装着したスチールプレートが2本の6mm径ロッドの間に来るように配置し、スチールプレートを装着した面が圧縮ばねとは向かい合わないよう配置します (Figure 9)。
- 移動用プレートを固定したいおおよその位置に配置し、一時的に固定します。残りのアッセンブリの組立てが完了するまでの暫定固定になります。
- M3のセットスクリューを用いて、マイクロメーターや送りねじ等のドライブ用パーツをマイクロメーターホルダー内に固定します。次に、ドライブ用パーツのスピンドル位置を中間位置に調節します。
- マイクロメーターホルダーを2本の6mm径ロッド中に通し、ドライブ用パーツのスピンドル先端部がスチールプレートに接触するように配置します。M3セットスクリューでマイクロメーターホルダーを6mm径ロッドに固定します。
- 固定用のプレートを移動用のプレートに向けて押し出し、間に入れた圧縮用ばねを圧縮します。この時のばねの長さは、何も圧縮していない状態の長さの3/4程度の長さになるよう、固定用のプレートを押します。ばねの圧縮状態を維持したまま、固定用のプレートを6mm径ロッド中に位置固定します。
- 上記ステップ4で移動用のプレートを固定した場合は、固定したねじを緩め、移動用のプレートが自由に移動できるようにします。マイクロメーターや送りねじ等のドライブ用パーツを動かせば、この移動用のプレートが連動して動くようになります (Figure 10)。
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