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UV グレード vs. IR グレードの合成石英

UV グレード vs. IR グレードの合成石英

合成石英は、レンズ、ウインドウ、ミラー、プリズム、ビームスプリッターなどの光学部品の製造を行う光学産業で一般的に用いられる硝種です。合成石英は、その一貫して再現可能な光学性能から、精密光学用の材料として好まれています。1 加えて、高い熱安定性と熱衝撃への耐性に必要な合成石英の低熱膨張係数は、特定のアプリケーションにおいて重要な特性となります。合成石英は、高い耐薬品性と非常に低い蛍光性があります。合成石英には様々な種類がありますが、最も一般的なのはUVグレードとIRグレードの合成石英です。

UVグレードの合成石英は、高純度シリコンを火炎加水分解して酸化することにより合成的に製造されます。2 UVグレードは、UVスペクトルで高い透過率を示しますが、水酸化物 (OH -) イオン不純物からの吸収によって、1.4µm、2.2µm、および2.7µmを中心とする透過率の低下が見られます。

IRグレードの合成石英は、UVグレードの合成石英に比べるとOH-イオンの量が少ないため、NIRスペクトル全体でより高い透過率になり、UVスペクトルでは透過率が低下します (Figure 1)。OH-イオンは、高品質の石英を溶融するか、特別な製造技術を用いることで減少させることができます。3

Figure 1: Transmission data for UV and IR grade fused silica for a 5mm thick sample without Fresnel reflections
Figure 1: フレネル反射を加味しないUVおよびIRグレード 合成石英 (5mm厚サンプル) の透過率データ 1

ツリウム(2080nm) やホルミウム (2100nm) をはじめとした2 µm付近の波長をもつレーザーの開発によって、2µmの波長領域のレーザーを利用するアプリケーションが増加しました。2µmは UVグレードの合成石英のOH-吸収ピークの一つに近く、2µmのアプリケーションにはIRグレードの合成石英がより適切な選択肢となります。UVグレードの合成石英は、2μm付近で高い吸収を示すため、熱の発生や潜在的な損傷につながります。しかしながら、IRグレードの合成石英を用いた光学部品は、多くの場合コスト高で、ラインナップ数は少なくなります。

適切な基板を選択するには、アプリケーションの波長範囲を理解することが重要です。エドモンド・オプティクスは、IRグレードの合成石英 (Corning 7979) とUVグレードの合成石英 (Corning 7980) の基板オプションで厳選された光学部品を提供しています。アプリケーションに適した合成石英製品の選定サポートは、当社エンジニアリングサポートにお問い合わせください。

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参考文献

  1. “Corning HPFS® 7979, 7980, 8655 Fused Silica.” Corning, February 2014.
  2. Linow, Sven, et al. “Experimental Study of the Synthesis of Fused Silica by Direct Combustion Hydrolysis.” Experiments in Fluids, vol. 32, no. 1, Jan. 2002, pp. 66–75., doi:10.1007/s003480200007.
  3. Nürnberg, Frank, et al. “IR Grade Fused Silica for High-Power Laser Applications.” ICOL, Mar. 2014, doi:10.13140/2.1.2604.8007.
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