キネマティック移動の詳細
メカニカルシステムは、自由度 (degrees of freedom; DOF)の数で分類することができます。 三次元の剛体には、直進座標 (X, Y, Z)と回転座標 (Rx, Ry, Rz)の6つの独立した自由度があります。 すべての自由度が完全に拘束されている場合、そのマウントはキネマティックであると見なされます。Figure 1は、キネマティックマウントの図解です。
Figure 1: TECHSPEC® キネマティックマウントのデザインは、6つある自由度すべてを拘束します
エドモンド・オプティクスのTECHSPEC® キネマティック光学マウントは、3点の拘束システムに伝統的な円錐 (Cone)、溝 (Groove)、平面 (Flat)を採用しています。Figures 2 と3は、25.4mm径用のキネマティックマウントの図解です。キネマティック光学マウントがどのように機能するかを視覚化するために、3本の送りねじを採用するマウントに取り付けられた光学素子を考えてみることにします。
Figure 2: 溝 (Groove)、円錐 (Cone)、平面 (Flat)の拘束システム
Figure 3: 3本の送りねじによる25.4mm径用のキネマティックマウント
先端部が球状の送りねじAを円錐部に取り付けることで、直進座標の自由度 (X, Y, Z)がすべて拘束されます。Figure 1にあるように、溝がX軸方向にある場合は、先端部が球状の送りねじBを溝部に取り付けることで、3つの回転座標のうちの2つ (Ry, Rz)が拘束されます。残りの自由度 (Rx)は、先端部が球状の送りねじCを平面部に取り付けることで拘束されます(Figure 4)。
Figure 4: 先端部が球状の送りねじを平面部に取り付けることで、Rxの自由度を拘束します
エドモンド・オプティクスは、送りねじが2本または3本のキネマティックマウントをご用意しています。 溝部と平面部に取り付ける2本ねじ仕様は、回転座標の自由度を調節するために用いられます。上に挙げた例とは対照的に、回転軸は光学素子の後側に位置するため、調整時には光学素子がZ軸方向にもわずかに移動します。
このZ軸方向への不要な移動を埋め合わせるために、3本目の送りねじを円錐部に取り付けることができます。この3本の送りねじ構成により、最初の2本の送りねじを用いて素子を必要な向きに回転させた後、3本目の送りねじでZ軸に沿って元の位置へ戻します。
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