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NDフィルターの理解
Edmund Optics Inc.

NDフィルターの理解

Neutral Density Filters

NDフィルターは、別名「中性濃度フィルター」とも呼ばれ、所定の波長帯において波長を選ぶことなく、光量を一定量落とす目的に使用されます。NDフィルターの場合、透過率でその特性を定義するのではなく、光学濃度 (Optical Density; OD)で定義するのが一般的です。光学濃度が高くなると透過率が低くなり、光学濃度が低くなると透過率は高くなります。光学濃度で定義することにより、フィルターを複数枚重ね合わせた時の全体の減衰率 (透過率)が求めやすくなります。光学濃度 (OD)と透過率 T (%)の間には、次式 (1)と(2)の関係があります。

 

(1)$$ T \left(\text{Percent Transmission} \right)=10^{-\text{OD}} \times 100 \% $$$

 

(2)$$ \text{OD} = -\log\left(\frac{T}{100 \% }\right) $$

標準品と異なる光学濃度が必要な場合は、フィルターの重ね合わせにより所定の濃度を得ることができます。一例を次に紹介します。

 

例1: OD=0.3とOD=1.5のフィルターを重ねた場合の透過率は?

(3)$$ \text{OD}_{\text{Total}} = 0.3 + 1.5 =1.8 $$

 

(4)$$ T = 10^{-1.8} \times 100 \% = 1.58 \% $$

 

例2: 透過率0.5%のフィルターが必要な場合どうする?

(5)$$ \text{OD} = -\log{ \left( \frac{0.5 \% }{100 \%} \right) } = -\log{\left( 0.005 \right)} = 2.3 $$

 

よってフィルターの重ね合わせによりODtotalが2.3となる組み合わせ (例えば、OD=0.3と2.0、或いは0D=1.0と1.3の組み合わせ)により、0.5%の透過率を得ることができます。

NDフィルターのタイプ

NDフィルターを大別すると、反射型と吸収型に大別できます。反射型フィルターは、ガラス基板表面に、UV~VISやNIRといった特定波長域で有効に機能するよう最適化された光学薄膜 (主に金属膜)を蒸着したものです。この薄膜による光の反射と吸収作用によって、所定の光学濃度 (透過率)を実現します。ただ反射量が吸収型 (後述)よりも多いため、例えばレーザー光照射時に戻り光がレーザー光源の出射口に戻らないよう注意を払う必要があります。一方の吸収型フィルターは、主に基板自体の光吸収作用によって所定の光学濃度を実現します。なおエドモンド・オプティクスのNDフィルター製品は、ハイパワーレーザー用には設計されておりませんので、ご注意ください (フィルターの破損、或いは光学特性の精度が悪くなる場合があります)。

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