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蛍光顕微鏡:画像用フィルターを用いた同軸落射照明
Edmund Optics Inc.

蛍光顕微鏡:画像用フィルターを用いた同軸落射照明

著者: Stephan Briggs

蛍光顕微鏡の基礎 | 光学製品とメカニカル製品

 カメラ技術の進歩は、バイオや産業アプリケーションでの顕微鏡検査に大きな革命をもたらしました。生物学者やエンジニア達は、接眼レンズを通して観察したり、ピントを定期的に調整したりすることに何時間もの時間を費やしていましたが、その必要はもうありません。データの記録や分析作業は、今ではデジタルビデオマイクロスコープシステムを用いることで簡単に行えるようになりました。この種のシステムに関する一般情報は、デジタルビデオマイクロスコープのシステムセットアップをご覧ください。

 デジタルビデオマイクロスコープの利点を本当に理解するには、同軸落射照明と光学フィルタリングを利用したシステム構成を考える必要があります。これにより、最良の像コントラストが得られ、蛍光の定量化が行えます。

蛍光顕微鏡の基礎

 光の吸収と励起の様々な波長を測定・分析するには、蛍光顕微鏡の使用が最適です。同軸落射照明を搭載した蛍光顕微鏡のセットアップは、照明器から出て来た光の光路を曲げて、観察光学系の光路と同じ向きに持っていくのに、プレート型ビームスプリッター (ハーフミラー)を利用します。このセットアップは、Figure 1の図をよく見るとわかりますが、機械的に見て他のいくつかのデジタルビデオマイクロスコープシステムと比べてもそんなに複雑ではありません。大抵の光学系と同様、このシステムにおいても上からセンサー (カメラ)、光学系、検査対象物の順で配置されます。具体的な製品として、#59-367 EO-3112C &frac12型CMOSカラーUSBカメラがセンサーに、そして#59-877 10X EO M Plan Apo 無限補正対物レンズと#54-774 MT-1 結像レンズが光学系に用いられています。#54-774は、無限補正対物レンズから来る像をカメラセンサー上に結ぶ補助レンズの一種です。検査対象物には、バイオサンプルや植物、昆虫、検査や照準用のガラス/金属材料が含まれます。

Seven-Component Infinity Corrected Digital Video Microscope System for Fluorescence Microscopy
Figure 1: 蛍光顕微鏡に用いられる7点構成の無限補正デジタルビデオマイクロスコープシステム

 

 Figure 1より、光学フィルターの選定は、デジタルビデオマイクロスコープにおいて励起波長と蛍光波長を選定する際に重要になります。光学フィルターの追加により、この種のセットアップは俗に言う蛍光顕微鏡となります (Figure 2参照)。またこのセットアップ構成は、共焦点や多光子、そしてコヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱顕微鏡のような、より先進的な技術に向けた重要な要素となります。光学フィルターの種類に関するより詳細な情報は、蛍光顕微鏡に対する蛍光試薬とフィルターをご覧ください。

 ある波長の透過を遮断することで、極めて強い光をサンプルに照射することが可能になります。蛍光顕微鏡下で撮像されるサンプルは、検出可能な蛍光を発するために、大きな励起エネルギーを通常必要とします。高い光学濃度を持つハードコートフィルターとダイクロイックフィルター (ビームスプリッター)は、特定波長の透過を素早く、簡単に遮断してくれます。ダイクロイックフィルターと蛍光フィルターの2種類のフィルターは、システム導入時に最も重要なフィルターとなります。ダイクロイックフィルターは、一般的に蛍光試薬を励起する短波長側の光を反射し、同試薬から放出される長波長側の光を透過します。これらの光学フィルターの組み合わせで、蛍光のエネルギーが放出されなかったり、迷光がセンサーに到着してしまうといった問題を回避することができます。フィルターの重要な特性に、中心波長 (CWL), 最小透過率, 光学濃度 (OD), 透過バンド幅 (半値全幅 (FWHM))があります。フィルターに関する更なる情報は、光学フィルターをご覧ください。

Basic Optical Filtering Arrangement for Fluorescence Microscopy
Figure 2: 蛍光顕微鏡における光学フィルタリングの基本構成

光学製品とメカニカル製品

 蛍光顕微鏡のセットアップを精密に行おうとすると、様々な光学部品イメージング製品位置決め製品が必要になります。製品選定プロセスをより簡単にするため、製品名や商品コード、必要数量の詳細を明記した完成した製品リストをTable 1に紹介します。

 またTable 1にあげた製品で組み立てた実際のシステムをFigure 3に紹介します。システムの上から順に、#59-367 EO-3112C &frac12型CMOSカラーUSBカメラ、次に#54-774MT-1結像レンズを中に固定した#58-329#55-743のCマウントアダプターが続きます。結像レンズから次の対物レンズに至るまでの空間は、光路が光軸と平行になるところで、無限補正系の利点となるところです。この光路部分に、光学素子の挿入をディストーションや収差の発生なしに行うことができます。Figure 3では、#56-658 フィルターホイールアッセンブリが6種類の蛍光用バンドパスフィルターを保持し、その次には同軸落射照明用のダイクロイックビームスプリッターを配置しています。ダイクロイックビームスプリッターは、照明器が発する白色光を反射して対物レンズ側に光路を曲げ、さらに試料に当たって対物レンズから戻ってきた光を透過し、センサー側に導光します。システムの最後には、#59-877 10X EO M Plan Apo 無限補正対物レンズが一連のメカニカル製品に固定され、ベストフォーカスな像が得られるように試料との間隔 (作動距離)が調整されます。結像レンズ下に配置したフィルターホイールアッセンブリ部分を接写した画像をFigure 4に紹介します。

Sample Fluorescence Microscope Setup
Figure 3: 蛍光顕微鏡のセットアップサンプル
Close-Up of Filter Wheel Assembly and Bandpass Filters in Parallel Optical Path
Figure 4: 平行な光路内に置かれたフィルターホイールアッセンブリとバンドパスフィルターの接写画像

 

Table 1:セットアップに必要な製品一覧
品名商品コード数量
プレート型ビームスプリッター VIS 50R/50T 35 x 35 #49-754 1
10X EO Plan Apo 無限補正対物レンズ #59-877 1
フィルターホイールAssy 25-25.4mm U¼ #56-658 1
EO-3112C &frac12型CMOSカラーUSBカメラ #59-367 1
三脚アダプター (EO USB2.0カメラ用) #59-473 1
ファイバー光源 Fiber-Lite MI-150 STD #59-235 (115V)
#59-236 (220V)
1
MT-1結像レンズ #54-774 1
Cマウント ミツトヨMT-1/MT-2結像レンズ用ホルダー #58-329 1
Cマウント ミツトヨ対物レンズホルダー #55-743 1
アルミ製ブレッドボード U¼ 610 x 305 #03-640 1
アルミ製ブレッドボード U¼ 457 x 305 #56-934 1
Cマウント 平面ミラー用ハウジング (35 x 35 x 3mmサイズ用) #56-265 1

 顕微鏡用対物レンズを用いたデジタルビデオマイクロスコープのセットアップは、産業用やバイオ用サンプルを検査するのに強力な光学ツールです。使用者の要望に応じて、下は4点から上は12点以上まで、シンプルな構成にも、また複雑な構成にもアレンジできます。12点以上の部品点数で構成したシステムの場合、入り組んだフィルタリング方法とメカニクス製品を通常取り入れています。メカニクス製品は、光学フィルターを光路内で支えるために必要になります。カメラ~対物レンズシステムの光路内に光学素子を入れる必要がある時、特に蛍光顕微鏡アプリケーションの場合は、7点構成の無限補正システムの採用が理想的な選択となります。

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