液体レンズの機能・アプリケーション・技術
液体レンズの機能
本ページはイメージングリソースガイドのセクション7.2です
Liquid lenses quickly adjust focus to accommodate objects located at various working distances (WDs). Liquid lenses are small, mechanically or electrically controlled cells containing optical-grade liquid. When a current or voltage is applied to a liquid lens cell, the shape of the cell changes. This change occurs within milliseconds and causes the optical power, and therefore focal length and WD, to shift. Many manufacturers have designed liquid lenses that operate via slightly different processes: electrowetting, current-driven polymer, or sound piezoelectric. Liquid lenses are an ideal solution for imaging applications requiring rapid focusing, high throughput, and depth of field (DOF) and WD accommodation.
Figure 1: A liquid lens setup used in a high-speed machine vision application.
反応時間
液体レンズは非常に速い反応時間を持ち、電圧か電流を介して電気的に調整可能で、ミリ秒オーダーで応答します。固定焦点レンズやズームレンズは、多くの場合機械的にもしくは手動調節で焦点を変えるため、イメージングシステムに遅れを生じさせることになります。
汎用性
液体レンズは、イメージングレンズ内部への組み込み、または同レンズの最前部もしくは最後部にねじ込んだりと、イメージングシステム全体のさまざまな場所に導入することができます。
サイズ
液体レンズは機械機構部を不要にするため、コンパクトなデザインを可能にします。加えて、液体レンズはアッセンブリ内の個々のレンズの多くと機能的に同等です。こうしたレンズを取り除き、小型の液体セルで交換することで、レンズ全体のサイズの小型化と軽量化が実現されます。
対応センサー
液体レンズは、その小さな開口サイズによって制限されます – 最大直径は約16mmです。小さな開口は液体レンズに制限をもたらし、レンズが既存のマシンビジョンレンズの対物側最前面に取り付けられた場合は、おおよそ1/1.8型までのセンサーにしか使用できません。これに対して、液体レンズがシステム内部に組み込まれた場合には、対応センサーに制限を与えません。
焦点合わせ
液体レンズは、非常に広範な光学的パワー (焦点距離) を高速に動作するようデザインされています。固定焦点レンズやズームレンズに一般的に見られる、可動パーツや機械的調節機構を取り除くことで、ピント合わせのプロセスがより速くなります。
システム実装の複雑性
利用可能な機器やアプリケーションによっては、液体レンズの実装が難しくなる場合があります。液体レンズは、距離センサーやコントローラーといった高速アプリケーションの多くで必要となるフィルターや絞りなどのアクセサリー製品の多くと組み合わせて使用することができます。
寿命
液体レンズはほとんど電力を消費しません。一般的なメカニカルレンズは10万サイクル程度までですが、液体レンズはおおよそ5千万サイクルの使用に耐えることができます。
液体レンズのアプリケーション
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液体レンズの順応性、高速性および多機能性は、マシンビジョンやライフサイエンス、計測や検査の様々なアプリケーションに理想的にします。標準的なマシンビジョンレンズは、素早い再ピント調整が求められる高速もしくは精密アプリケーションにおいて、その伝統的なメカニカルレイアウトから、鮮明かつ正確な画像を取得することが容易ではありません。
マシンビジョン
大量組立てラインは、高速、正確かつ精密なスループットが求められます。液体レンズを検査システム内に実装することは、異なる距離でのピント合わせが求められる時に最適、コンパクトかつ経済的ソリューションです。液体レンズは、バーコード検査、パッケージ選別、品質管理、高速オートメーションに理想的なソリューションです。
Figure 2: This animation illustrates the advantages of implementing a liquid lens into a machine vision imaging system for inspection. In a standard inspection system, objects of different heights are imaged as they pass by on a fast-moving conveyor belt. A standard imaging lens requires mechanical refocusing per every object, causing a delay that can limit high-throughput. A liquid lens, free of mechanical translation, overcomes these speed and depth of field limitations by refocusing to different heights in the matter of milliseconds.
ライフサイエンス
液体レンズは、顕微鏡イメージングアプリケーションにおいてフォーカススタッキング (“Zスタック”) のプロセスを改善かつ簡略化します。フォーカススタッキングは、高倍率対物レンズを用いた撮像の際、その被写界深度の制約から要求されることがあります。液体レンズは、様々な物体面に素早く正確にピントを合わせることができるため、フォーカススタッキングの速度を上げます。液体レンズは、顕微鏡内のチューブレンズや無限遠空間内に容易に実装することができます。液体レンズは、屈折率の制御や被写界深度の調整が重要となる眼科学においてよく用いられます。標準的な眼科用機器には、人間の眼に合わせるために複数のガラスレンズが用いられています。こうしたレンズ群一つの液体レンズで交換できるため、イメージングまたは診断過程を高速化し、OCTやフォロプターといった眼科用機器の全体サイズを小さくします。
無人航空機
液体レンズを無人航空機 (UAV) の画僧システムに搭載することで、様々な高度でも画像の鮮明さが瞬時に維持されます。液体レンズは、特に農業検査と監視、地理情報システムおよび監視アプリケーションに有利です。
測定 & 3Dレンダリング
液体レンズは、距離センサーやカメラと組み合わせることで、三次元 (3D) 物体の異なる面を素早く撮像することができます。撮像後に各画像をソフトウェアで繋ぎ合わせることで、正確な3Dレンダリングが作成されます。
液体レンズ技術
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Corning® Varioptic® 可変フォーカス液体レンズ技術
可変フォーカス液体レンズは、電場の印加で濡れ特性を操作するエレクトロウェッティングと呼ばれるプロセスを利用し、液体の曲率の形状を制御します。液体レンズセルには、Figure 3に図解した通り、2種の非混和性液: 非導電性オイルと水溶液が境界面で分離した状態で内包されています。この界面に電圧を加えるとレンズの曲率、即ち焦点距離が数十ミリ秒内で変化します。電圧を更に加えると、液体レンズ全体の曲率と光学的パワーが増加します。可変フォーカス液体レンズの容量特性によって、一度熱平衡に達すると、その後は高温環境下での安定動作が可能になります。また、レンズ内の2種類の液体は同一比重なので、振動や衝撃によりシステムが受ける影響も低く抑えられます。可変フォーカス液体レンズは、そのサイズの小ささから、既存のマシンビジョン用レンズとの使用において操作が難しくなる場合があります。このレンズは、サイズが制限因子とはならない光学デザインへの完全実装に適しています。
Figure 3: Corning® Varioptic® 液体レンズの動作原理
Optotune 電動フォーカス・チューナブルレンズ
Optotune 電動フォーカス・チューナブルレンズは、ポリマー製の膜で封止された液体を満たしたセルで構成されます。電流駆動のアクチュエーターがその膜に圧力をかけ、レンズの曲率 (即ち光学的パワー) に変化をもたらします。電動フォーカス・チューナブルレンズは、その電流依存性から低動作電圧で駆動し、数ミリ秒内にピントを合わせます。このレンズは、偏光を変えることなく、高レーザー損傷閾値で、収差も最低限に抑えます。
Figure 4: Optotune 電動フォーカス・チューナブル液体レンズの動作原理
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