透過型グレーティング・ビームスプリッターよりも施されている格子の周期がより密になっており、反射型の回折格子とほぼ同じ周期のものが選べます。一般に透過型回折格子は、高次での回折効率を高く維持する目的のため、格子周波数を小さく (格子周期を疎に)します。本製品はそれとは反対に、周波数を高く (周期を密に)しているため、より大きな回折角を得ることが可能になります。装置の小型化が求められる用途に最適です。なお波長が長くなるほど、得られる回折角も大きくなるため、基板の裏面側において光の全反射 (Total Internal Reflection)が生じ、基板から透過しづらくなりますのでご注意ください (高次の回折光ほどそうなります)。
ブレーズド型でデザインされた本製品は、垂直入射時に所定のブレーズ角で回折する波長の光がブレーズされ、その波長付近におけるスループットが特に高くなります。
反射型と違い、透過型の回折格子の場合は、基板自体の設置角度を固定する用途、例えばスペクトログラフなどにおいて特に利用されます。入射した光が一定の角度で分散されるためです。反射型回折格子使用時に見受けられるアライメントエラーを実質無視することが可能になります。基板にUVグレード合成石英を用いた本製品は、250~450nmの波長域での使用に最適です。偏光依存性は比較的高くありません。
透過型回折格子は、反射型回折格子と同様の方法で製造されます。回折格子のマスター品を製作後、ガラス基板上にコートしたエポキシ樹脂にマスター品の格子形状を転写します。唯一の違いは、反射用の金属膜を施していない点です。なお基板の裏面側に反射防止膜 (MgF2シングルコート) を施したタイプも対応可能です。反射防止膜の採用により、スループットが2%程度改善します。また裏面側で生じる二次的なスペクトルを低減することが可能になります。反射防止膜の対応は、当社アプリケーションエンジニアまでご連絡ください。
回折格子の取扱い上の注意:
回折格子の格子面には、アルミか金の反射用の金属膜が施されており、取扱いには十分な注意が必要です。保持する際は、基板側面部のみをつまむようにしてください。これらの金属膜は比較的柔らかく、指紋やエアゾルに脆い面があります。なお金属膜についた引っ掻き傷や、その他の外観上の欠陥が、回折格子の光学的性能に影響を与えることはまずありません (ひどくない限りにおいて)。本カタログに掲載している回折格子は、全てレプリカ品です。そのため商品納入の際に引っ掻き傷等が見受けられる場合がありますが、性能的に問題はありません。また金属膜が汚れた場合に、洗浄のご依頼を頂くことがありますが、洗浄の難しさや、洗浄してどの程度元の性能まで戻せるか、等の懸念から、通常はお受けしておりません。マスター品とは違い、レプリカ品の場合は安価な価格でご提供できることにメリットがあるため、新品のご購入をお勧めしております。
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