ホログラフィー回折格子のマスター品は、2台のレーザー光源により発生する干渉縞をフォトレジストに記録して作られます。本製品はそのレプリカ品で、ガラス基板上にコートしたエポキシ樹脂にマスター品の格子形状を転写後、表面に反射用の金属膜を施して反射型の回折格子としたものです。
鋸波状の格子形状を持つブレーズト回折格子と違い、ホログラフィー回折格子はSIN波状の格子形状を有します (但し一部のホログラフィー回折格子のみ、特別製造工程により丸みを帯びた鋸波状の格子形状で製作されます)。この格子形状は、上述の通り光学的に作成されるため、格子形状の正確さや格子周波数の精度は、ブレーズド回折格子のそれを遙かに上回ります。そのためブレーズド回折格子使用時に懸念となる迷光 (ゴーストイメージ)の発生が、殆どないという特長があります。ラマン分光など、S/Nのファクターが重要視される用途に最適です。また格子の1mm当たりの溝数 (格子周波数)をホログラフィー技術の導入により、より密にすることができるため、分解能のより高いスペクトルを得ることが可能です。格子断面がSIN波状のため、一般的にピーク回折効率はブレーズド回折格子に比べて劣りますが、広い波長帯域に対して一定の効率が得られるという特徴があります。
ガラス基板上に平行で真直な多数の密な溝 (格子)を周期的に配列した回折格子は、光の回折 (Diffraction)現象を利用して多色光の光を虹のスペクトルに分解する光学素子です。回折格子は研究用や教育用の各種モノクロメーターから、分光光度計、また蛍光分光/ラマン分光/原子吸光等に用いられる殆ど全ての分光用光学機器に使用されています。またレーザーのビーム分割用途にも利用されます。
回折格子の取扱い上の注意:
回折格子の格子面には、アルミか金の反射用の金属膜が施されており、取扱いには十分な注意が必要です。保持する際は、基板側面部のみをつまむようにしてください。これらの金属膜は比較的柔らかく、指紋やエアゾルに脆い面があります。なお金属膜についた引っ掻き傷や、その他の外観上の欠陥が、回折格子の光学的性能に影響を与えることはまずありません (ひどくない限りにおいて)。本カタログに掲載している回折格子は、全てレプリカ品です。そのため商品納入の際に引っ掻き傷等が見受けられる場合がありますが、性能的に問題はありません。また金属膜が汚れた場合に、洗浄のご依頼を頂くことがありますが、洗浄の難しさや、洗浄してどの程度元の性能まで戻せるか、等の懸念から、通常はお受けしておりません。マスター品とは違い、レプリカ品の場合は安価な価格でご提供できることにメリットがあるため、新品のご購入をお勧めしております。
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