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最適な被写界深度で高品質のベッセルビームを生成するアキシコンミラー |
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色収差がなく、超短パルスレーザーのパルス持続時間を維持 |
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反射型多面光波変換法 (MPLC) を利用した低損失ビーム整形 |
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レーザー材料加工、医療アプリケーション、積層造形に最適 |
多くの精密レーザーアプリケーションにとって、ガウス分布のレーザービームをフラットトップビームまたはベッセルビームに整形することは重要です。一般的には屈折型ビーム整形オプティクスが用いられますが、反射型ビームシェイパーとアキシコンミラーを使用することで、透過損失を排除し、よりハイパワーのレーザーが扱えるようになります。また、色分散が排除されるため、超短パルスシステムでの使用に適しています。反射型ビームシェイパーは、微細加工などの高精密レーザーアプリケーションに最適です。超短パルスレーザーをはじめとしたレーザー技術の進化により、効率と精度を向上させるビームシェイパーを利用したさまざまなシステムが生み出されています。
透過型のアキシコンレンズは、入射コリメート光をファーフィールドでリング状のビームプロファイルに変換し、ニアフィールドで特定領域にベッセルビームを近似する円錐型オプティクスです。ベッセルビーム領域では、Figure 2 に示すように、ビームが伝搬しても回折や拡大がありません。実際、ベッセルビームの幅が回折限界よりも小さくなる場合もあります。
反射型の非軸アキシコンミラーは、透過型のアキシコンレンズと比較していくつかの利点を備えた高品質ベッセルビームを生成します。アキシコンミラーは、透過型デザインに比べてより理想に近いベッセルビームを生成し、高出力レーザーに対する耐久性も高くなります。また、光学媒体を介した伝搬が不要になることで、色収差がなく、超短パルスレーザーアプリケーションにおけるパルス持続時間も維持することができます。Figure 1 は、アキシコンミラーでベッセルビームを生成する典型的な概略図を示しています。
Figure 1: この非軸アキシコンミラーは、特定領域で近似ベッセルビームを生成した後、リング状態を維持したままビームを伝搬する
アキシコンミラーによって生成されたベッセルビームは、光が強く集中するため、ガラスなどの透明材料に対するナノ流路のドリル加工などのレーザー材料加工に最適です。1 ガラスの切断効率は、最初にナノ流路をドリル加工した後、穴に沿ってガラスを切断することによって最大化できます。穴の寸法は、高い再現性で精密に制御できます。アキシコンレンズの詳細については、アプリケーションノートのアキシコンレンズの考察をご参照ください。
多面光波変換法 (MPLC) は、位相板と自由空間伝搬を利用する低損失なビーム整形プロセスです。3 MPLCは、ビームを同時に整形できるため、マルチビームシステムに最適です。MPLCは、透過型と反射型の両方の構成が可能で、反射型 MPLC システムは、反射型オプティクスを使用した伝搬によって生じる分散と吸収を回避します。この技術は、フランスのレンヌに拠点を置く先端テクノロジー企業である Cailabs 社によって開発されました。
MPLC を利用した反射型ビームシェイパーは、多くの場合、マルチパスキャビティとして構成されます。そこでは、入射レーザービームが反射位相板とミラーの間で何度も反射することによって、必要な出力ビームプロファイルが生成されます。このシステムは、高モード選択性と低挿入損失という利点が得られます。MPLC の詳細については、以下のビデオをご覧ください。
MPLC の概要。動画提供:Cailabs 社
MPLC を使用してフラットトップビームを生成することにより、微細加工などのレーザーアプリケーションの精度が向上し、効率が改善します。フラットトップビームは、対象物の側面の熱的効果を低減し加工品質を向上させることで、フラットなエッジを可能にします。横方向のビーム形状は、正方形に調整することもできるため、側面の重なりや材料の無駄を最小化することができます (Figure 3) 。4 MPLC システムは、多くの異なるレーザーモードを受け入れ、不要なモードを拒否するよう調整することが可能なため、不完全な入射ビームや継時的なビーム変動の影響をあまり受けません。反射型ビーム整形には、ガルバノスキャナーとの互換性、製造歩留りの向上、加工時間の短縮、フェムト秒領域での色収差がないことなどの利点もあります。また、MPLC を利用した反射型ビーム整形は、レーザー溶接、マーキング、表面テクスチャリング、積層造形における精度も向上させます。
Figure 3: これらの正方形の形状は、反射型ビームシェイパー CANUNDA-PULSE と Amplitude社の超短パルスレーザーを使用して微細ドリル加工されたもの。画像提供:Cailabs 社
1. Laroui, Sami. “Glass Cutting Using Bessel Beams.” Cailabs, 21 Mar. 2019, https://blog.cailabs.com/en/glass-cutting-using-bessel-beams/.
2. Meyer, Remi, et al. “Beam Shaping Aids Transparent Materials Processing.” The Laser User, no. 84, Mar. 2017, pp. 28–29.
3. “Multi-Plane Light Conversion Technology.” Cailabs, https://www.cailabs.com/en/technology/.
4. “Canunda Pulse Datasheet”. Cailabs
エドモンド・オプティクス (EO) の Canunda アキシコンミラーは、高品質のベッセルビームを生成し、高出力および超短パルスの処理が可能です。Canunda アキシコンミラーは、強度分布における変動の無いベッセルビームを形成します。これは、屈折型アキシコンで形成されるものよりも理論上のプロファイルに近いものになります。反射設計と正確な頂角製造により、色分散も取り除かれるため、超短パルスレーザーとの使用に最適です。
Canunda アキシコンミラーは、低損失コーティングと反射型設計により、フェムト秒領域であっても、最大1mJの高エネルギーレーザーとの使用に適しています。
はい。Cailabs社が開発したMPLCは、光ファイバー通信にも有用です。システムの複雑さとコストを大幅に増やすことなく、マルチモードファイバーシステムの帯域幅を増加させることができます。また、大気流をフィルタリングし、小さな拡がり角を維持しながら複数のレーザーを組み合わせることにより、地上-衛星間のような光通信にも使用できます。
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