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Large Field of View Telecentric Lenses

投稿: July 2017 | 光学テクノロジー最前線の全ての記事を確認する

次世代の球面レンズ

光学アプリケーションが複雑さを増していく中、それに向けた性能要求は更に厳しくなっており、標準的公差の球面レンズでは適応が難しくなることもあります。

次世代の球面レンズは、直径や偏芯、及び表面品質といった公差をより厳しいものにしていかなければなりません。これらのスペックは、レンズ鏡筒中に"単純に落とす"だけで光軸を合わせることができるため、動的アライメント作業を始めとする複雑な組み立て工程を低減し、アライメント作業を容易にして、波面収差も減らしてくれます。それまでの球面レンズが持っていた緩めのスペックでは、未来のアプリケーションに向けた厳しい要求事項を満たすレベルに至らないのです。

この次は?

公差を厳しくしたレンズを超えて、未来の標準レンズは従来の球面レンズとは形状が大分異なるものになるかもしれません。要求の厳しいアプリケーションの増加が、性能のより高いオプティクスを要求し続けています。

材料

従来の材料の特性を超えた性能を持つ材料の開発が行われています。広範な特性を巧みに利用したり、メタマテリアルが回折限界を超えた性能を持つレンズを作るのに用いられる可能性もあります。

非球面状のモールド成型面

球面レンズに独自のポリマーモールディング工程を施すことで、同レンズを迅速かつ経済的に非球面レンズに仕立てることができます。機械加工で成形した非球面レンズと同様の球面収差補正をわずかな費用で得ることができます。当社はこの技術を用いて非球面アクロマティックレンズを作っています。

偏光ディレクトフラットレンズ

偏光ディレクトフラットレンズは、一般的な球面レンズとは異なる機能を有します。レンズの焦点距離は、面の曲率の大きさではなく、ホログラフィー技術で記録された波面プロファイルによって決まります。このため、偏光ディレクトフラットレンズは、比較対象の球面レンズよりも軽量で薄くすることができ、設置スペースに制限のあるアプリケーションへの使用に最適となります。偏光ディレクトフラットレンズは、新たなデザイン技術の賜物であり、様々な産業やアプリケーションに対して無限の可能性を秘めています。

可変フォーカス モアレレンズ

可変フォーカス モアレレンズは、特殊構造の階段状の回折光学素子 (DOE) を内蔵します。このレンズは、同素子を単純に回転することで、広い範囲内にわたり焦点距離の連続調整が可能です。可変フォーカス モアレレンズは、単色照明時に収差フリーの性能が得られ、UVからIRまでの波長に向け適応可能です。

エドモンド・オプティクスの次世代球面レンズ

より高性能なオプティクスへのニーズを理解し、エドモンド・オプティクスはTECHSPEC® 球面レンズの標準公差をより厳しくしました。

 

標準公差の厳格化により、容易なインテグレーションを実現

 

TECHSPEC® 球面レンズ全品の直径公差を +0.000/-0.025mm に更新

 

TECHSPEC® 球面レンズ全品の表面品質 (キズ-ブツ) を 40-20 に更新

 

TECHSPEC® 単レンズの10mmを超える焦点距離を持つ製品全品の偏芯を1分未満に更新

 

レンズ鏡筒中に"単純に落とす"だけで光軸を合わせることができ、動的アライメント作業を始めとする複雑な組み立て工程の必要性を低減

図解

レンズの偏芯誤差は、結像面のチルトと軸上コマを引き起こすため、波面エラーや解像力及びエネルギー分布特性に悪影響を与えます。当社の偏芯公差をより厳しくしたレンズを使用しないと、こうしたエリアに影響を与える可能性があります。以下の3D波面プロットは、当社のφ25 x 100mm FL の非球面レンズ #89-442のものです。同レンズの従来の偏芯公差は3' です。この3' の偏芯誤差が、532nmの波長において3λ/4の波面エラー (PV値) を引き起こします。しかしながら、公差を1' に厳格化した新たな同レンズでは、波面エラー (PV値) が532nmの波長においてλ/4にまで抑えられます。

Figure 1: 偏芯誤差が原因で起こる波面エラー

FAQ (よくある質問)

  直径公差を改善するところのメリットは?
直径を名目上の値から 0.025mm 以内に抑えられれば、良質に設計された鏡筒内にレンズが納まり、レンズの光軸と鏡筒の機械軸を正確に合わせられます。直径公差は、光学部品を固定する際に考慮されなければならない大変重要な機械的公差です。名目上の直径の値からそれると、レンズが鏡筒内に適切に納まらなかったり、仮に納まったとしても、鏡筒内の中心にレンズが配置できなかったり、傾きを起こしたりすることがあります。
  偏芯のスペックを厳格化するのが重要なのはなぜ?

光軸の正確なアライメントは、要求の厳しいイメージングアプリケーションにレンズが用いられるのを確実にします。精密な直径公差を有するレンズ同士を組み合わせる場合でも、偏芯スペックのこうした厳格化が光学アッセンブリ内の画像ランアウトを最小化してくれます。

精密な外観上のスペックを有すると、レンズを要求の厳しいレーザーシステム内に用いる際に確実になります。小さなスクラッチ (キズ) やディグ (ブツ) が光学面上にあっても、それが光の散乱を引き起こし、レーザーが可能にするアプリケーションに負の影響を与えることがあります。表面品質のスペックは、レンズのレーザー損傷閾値にも影響を与えます。表面品質の高くないレンズは、中位のレーザー出力やフルエンスが入射すると損傷するかもしれません。レンズのスクラッチ (キズ) やディグ (ブツ) がレーザー光を前方と後方に散乱をさせ、コーティングを破壊してしまう可能性があるためです。

学習用資料

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公差を厳しくした球面レンズ

TECHSPEC® 球面レンズ全品に適用した厳格化した公差の詳細

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光学的仕様への理解

性能や製造要件を決定する際に必要となる共通する光学的仕様を解説

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