光学アプリケーションが複雑さを増していく中、それに向けた性能要求は更に厳しくなっており、標準的公差の球面レンズでは適応が難しくなることもあります。
次世代の球面レンズは、直径や偏芯、及び表面品質といった公差をより厳しいものにしていかなければなりません。これらのスペックは、レンズ鏡筒中に"単純に落とす"だけで光軸を合わせることができるため、動的アライメント作業を始めとする複雑な組み立て工程を低減し、アライメント作業を容易にして、波面収差も減らしてくれます。それまでの球面レンズが持っていた緩めのスペックでは、未来のアプリケーションに向けた厳しい要求事項を満たすレベルに至らないのです。
公差を厳しくしたレンズを超えて、未来の標準レンズは従来の球面レンズとは形状が大分異なるものになるかもしれません。要求の厳しいアプリケーションの増加が、性能のより高いオプティクスを要求し続けています。
より高性能なオプティクスへのニーズを理解し、エドモンド・オプティクスはTECHSPEC® 球面レンズの標準公差をより厳しくしました。
|
標準公差の厳格化により、容易なインテグレーションを実現 |
|
TECHSPEC® 球面レンズ全品の直径公差を +0.000/-0.025mm に更新 |
|
TECHSPEC® 球面レンズ全品の表面品質 (キズ-ブツ) を 40-20 に更新 |
|
TECHSPEC® 単レンズの10mmを超える焦点距離を持つ製品全品の偏芯を1分未満に更新 |
|
レンズ鏡筒中に"単純に落とす"だけで光軸を合わせることができ、動的アライメント作業を始めとする複雑な組み立て工程の必要性を低減 |
レンズの偏芯誤差は、結像面のチルトと軸上コマを引き起こすため、波面エラーや解像力及びエネルギー分布特性に悪影響を与えます。当社の偏芯公差をより厳しくしたレンズを使用しないと、こうしたエリアに影響を与える可能性があります。以下の3D波面プロットは、当社のφ25 x 100mm FL の非球面レンズ #89-442のものです。同レンズの従来の偏芯公差は3' です。この3' の偏芯誤差が、532nmの波長において3λ/4の波面エラー (PV値) を引き起こします。しかしながら、公差を1' に厳格化した新たな同レンズでは、波面エラー (PV値) が532nmの波長においてλ/4にまで抑えられます。
光軸の正確なアライメントは、要求の厳しいイメージングアプリケーションにレンズが用いられるのを確実にします。精密な直径公差を有するレンズ同士を組み合わせる場合でも、偏芯スペックのこうした厳格化が光学アッセンブリ内の画像ランアウトを最小化してくれます。
精密な外観上のスペックを有すると、レンズを要求の厳しいレーザーシステム内に用いる際に確実になります。小さなスクラッチ (キズ) やディグ (ブツ) が光学面上にあっても、それが光の散乱を引き起こし、レーザーが可能にするアプリケーションに負の影響を与えることがあります。表面品質のスペックは、レンズのレーザー損傷閾値にも影響を与えます。表面品質の高くないレンズは、中位のレーザー出力やフルエンスが入射すると損傷するかもしれません。レンズのスクラッチ (キズ) やディグ (ブツ) がレーザー光を前方と後方に散乱をさせ、コーティングを破壊してしまう可能性があるためです。
もしくは 現地オフィス一覧をご覧ください
クイック見積りツール
商品コードを入力して開始しましょう
Copyright 2023, エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社
[東京オフィス] 〒113-0021 東京都文京区本駒込2-29-24 パシフィックスクエア千石 4F
[秋田工場] 〒012-0801 秋田県湯沢市岩崎字壇ノ上3番地