大きな実視野 (FOV) サイズが得られるテレセントリックレンズは、要求の厳しい計測アプリケーションにおいて測定時間や検査時間を短縮します。計測や検査時間の短縮により、より速い製品スループットが可能になり、それがコスト削減に繋がります。
センサー技術が進化し、コスト効率がより高くなるにつれ、画素サイズはさらに小さくなり、解像度が高くなっています。過去には7-9µmの画素サイズが主流でしたが、現在は3-5µmが標準画素サイズになっています。また更に小さな1-2µmの画素サイズもより汎用的になりつつあります。以前までは、ユーザーは物体をオフラインで検査し、正確な計測や合否判定を行う必要がありました。高解像度センサーが容易に利用かつ入手可能な今では、計測やゲージ用システムは、オペレーションに支障を与えることなく、物体をオンラインで計測・検査するだけの画像性能が持てるようになりました。オンライン検査によって検査時間をより速くでき、それが全体的な生産時間の短縮にも繋がります。
マシンビジョンにおいて用いられる物体サイズは、50-200mm程度が主流です。大きな実視野サイズが得られるテレセントリックレンズであれば、物体全体をオンラインで一時に計測することができ、レンズを違う位置に移動したり、オフラインにする必要なく、より迅速な計測が可能となります。テレセントリックレンズで得られる実視野の大きさは、どのレンズでも対物側のレンズ素子の直径内に制限されるため、必要とする実視野の大きさが大きくなるほど、より大きな対物側レンズ素子が必要となります。その結果、大きな実視野サイズが得られるテレセントリックレンズは高コストになります。大きな実視野サイズが得られるテレセントリックレンズを必要とする全プロジェクトに対し、アプリケーションを考慮しながら求める性能や重量、サイズのバランスを取っていくことがより重要となります。
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