火星で水と古代生物の痕跡を探す探査機パーサヴィアランス |
この探査機はナビゲーションとサンプル採取に合計23台のカメラを使用 |
レーザーで最大7m離れた岩石を蒸発させ、分光器で成分を分析 |
火星の物質が人類に有害かどうかを調査 |
過去数十年にわたるNASAの火星探査により、この赤い惑星の一部は数十億年前に水に覆われていた可能性が高いことが証明されています。探査機パーサヴィアランスは現在、冷たく乾いた火星の表面を走行し、太古の微生物の生命の痕跡を探しています。2021年2月に着陸し、火星の過去と現在、そして将来の人類の移住地としての可能性をより深く理解するために、岩石や土壌のサンプルを分析しています。パーサヴィアランスには23台のカメラが搭載されており、操縦とミッションの遂行を助けています (Figure 1)。1 火星がかつて生命を維持していたかどうか、将来的に居住可能かどうかを判断するためには、この多様な光学系が不可欠です。
パーサヴィアランスに搭載された多くのイメージングシステムは、その「目」などの感覚を司るものです。特に7台のカメラは、火星の大気圏突入、地表への降下、安全な着陸を支援するために使用されました1。このシステムと高度なアルゴリズムにより、探査機の着陸地点の精度が大幅に高まり、火星の新しい領域を探索することが可能になりました (Figure 2)。9台のエンジニアリングカメラが、パーサヴィアランスの自律走行と危険回避をサポートします。さらに7台のカメラで岩石や土壌のサンプルを採取し、その組成を分析することができます。最も興味深い科学カメラのいくつかを以下でご紹介します。
SuperCamはパーサヴィアランスに搭載されているもっとも興味深い科学カメラです。高出力レーザーを用いて最大7m離れた岩石を蒸発させ、分光器によって残渣の化学組成を分析します(Figure 3)。1 SuperCamは過去に火星で微生物が生きていたことを示す可能性のある有機化合物の存在を探っています。レーザーはターゲットに当たった後、プラズマ(自由電子とイオンの非常に高温のガス)を発生させます。
この他にもパーサヴィアランスにはさまざまな機能を持つカメラが搭載されています。三次元ステレオイメージングにより、この探査機は周囲の環境を探知し、危険を回避します。1 X線CacheCamは、パーサヴィアランスが収集した岩石のサンプルを密封保存する前に上から見下ろす形で撮像するシステムです (Figure 4)。これにより、科学者たちはサンプル収集の全過程を記録し、それが正しく機能するよう見守ることができます。
2021年の時点では火星には5台の探査機が存在します。パーサヴィアランスはもっとも最近打ち上げられたもので、ほかにもソジャーナ、スプリット、オポチュニティ、キュリオシティといった探査機があります。
これまでの探査機とは異なり、パーサヴィアランスは有望な岩石や土壌のサンプルを収集し、火星上の「キャッシュ」に保存します。将来のミッションでは、これらのサンプルを地球に持ち帰ることができるかもしれません。
ジェゼロクレーターに着陸しました。このクレーターは、水によってのみ形成することが可能な地質特性が残る古代三角州です。
もしくは 現地オフィス一覧をご覧ください
クイック見積りツール
商品コードを入力して開始しましょう
Copyright 2023, エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社
[東京オフィス] 〒113-0021 東京都文京区本駒込2-29-24 パシフィックスクエア千石 4F
[秋田工場] 〒012-0801 秋田県湯沢市岩崎字壇ノ上3番地