レアアース材料を理解する
レアアース材料とは何か?
供給量が不足しているためレア(稀な)と呼ばれるレアアースは、15種類からなるランタノイドにスカンジウム、イットリウムを加えた17元素の総称です。レアアースは光学、防衛、自動車、医療といった様々な産業分野において、また電動工具からスマートフォンに至る膨大な消費材に使用されています。効率的なレアアースの分離法が1950〜60年代に初導入されてから、レアアースの消費量は、エレクトロニクスなどのテクノロジーの進歩に伴い劇的に増加しています。現在、世界規模でのレアアース需要は年間およそ134,000トンで、2012年までに年間180,000トンまで増加することが予測されています。
レアアース材料 | ||
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名称 | 元素記号 | 元素番号 |
スカンジウム | Sc | 21 |
イットリウム | Y | 39 |
ランタン | La | 57 |
セリウム | Ce | 58 |
プラセオジム | Pr | 59 |
ネオジム | Nd | 60 |
プロメチウム | Pm | 61 |
サマリウム | Sm | 62 |
ユウロピウム | Eu | 63 |
ガドリニウム | Gd | 64 |
テルビウム | Tb | 65 |
ジスプロシウム | Dy | 66 |
ホルミウム | Ho | 67 |
エルビウム | Er | 68 |
ツリウム | Tm | 69 |
イッテルビウム | Yb | 70 |
ルテチウム | Lu | 71 |
レアアース材料は光学分野でどのように使用されているのか?
光学産業におけるレアアースの重要性は急増しています。ランタンは多くの高屈折率ガラスに使用されています。高屈折率ガラスを別の硝材と組み合わせると波長分散を改善するため、多くの色消しレンズやイメージングレンズに利用されます。また、セリウムは光学ガラスの製造プロセスにおいて用いられる一部の研磨剤に利用されています。その他、ランタン、ガドリニウム、イットリウムなどのレアアースに依存する暗視ゴーグル、イメージングセンサーなどのように、多くの光学部品や電気光学デバイスがレアアースの影響下にあります。
Figure 1:
レアアース材料は光学分野でどのように使用されているのか?
光学産業におけるレアアースの重要性は急増しています。ランタンは多くの高屈折率ガラスに使用されています。高屈折率ガラスを別の硝材と組み合わせると波長分散を改善するため、多くの色消しレンズやイメージングレンズに利用されます。また、セリウムは光学ガラスの製造プロセスにおいて用いられる一部の研磨剤に利用されています。その他、ランタン、ガドリニウム、イットリウムなどのレアアースに依存する暗視ゴーグル、イメージングセンサーなどのように、多くの光学部品や電気光学デバイスがレアアースの影響下にあります。
レアアース材料市場は現在どのような状況になっているのか?
全世界の供給量に限度があるため、多くの光学部品に使用されるレアアース材料の価格は上昇しています。その結果、レアアース材料で製造されるガラスをはじめとした最終ユーザー向け製品の価格上昇が、業界全体で見込まれています。エドモンド・オプティクスは、サプライチェーン・パートナーや製造施設と緊密に連携を取ることによって、高い品質とお求めやすい価格を今後も維持できるよう、尽力しています。
現在の供給量不足はいつまで続くのか?
短期的な見通しを述べることは困難です。中国以外で採掘を拡大する計画はあるものの、米国政府監査院は、主としてライセンス取得と規制上の困難さから、レアアース採掘をフル稼働させるには7 - 15年間程度かかると推定しています。遅くとも15年後には、米国においてレアアースのサプライチェーンが再構築されると見込まれていますが、カナダ、オーストラリア、ロシア、太平洋地域などで相当量のレアアース鉱床が発見されてきた一方で、現在のレアアース市場にインパクトを与えるには至っていません。
エドモンド・オプティクスにはどのような影響があるのか?
他の主要な光学企業と同様、エドモンド・オプティクスはレアアース市場の変化に直接的な影響を受けます。当社は一部の製造プロセスや特定の高屈折率ガラスにおいて、レアアースを利用しています。レアアースの供給量が不確実であることから、当社としてもレアアース材料の価格が上昇すると予測しています。貴社の事業計画の中にレアアース部品の利用が存在する場合、価格上昇も計画の中に折り込む必要があるでしょう。当社では引き続き、製品価格への影響を抑えるための措置を講じてまいります。
どのようにして供給不足に至ったのか?
中国は現在、世界のレアアース供給量の97%を生産しています。中国がレアアース市場を独占したのはごく最近のことで、1980年代半ばまでは米国がレアアース生産国の筆頭であり、世界供給量の60%を超える生産量を誇った時期もありました。現在、多くの国々は大半を中国の輸出に依存しています。
市場の独占に関して言えば、1つの国が生産を独占すると、供給量ひいては価格の安定性が懸念されることになります。中国の経済や技術産業の成長が高まる中で、自国のレアアース需要に応える結果、中国はレアアースの輸出を減少させることが予測されています。世界の需要が供給量を超え始めた状況下において、品不足の懸念から既に上昇傾向にあるレアアース材料の価格はさらに上昇し続け、レアアースに代わる資源のニーズも引き続き増えていくことでしょう。
参考資料
- "REE - Rare Earth Elements and Their Uses." Geology.com. Accessed August 1, 2011. http://geology.com/articles/rare-earth-elements/.
- Rare Earth Materials in the Defense Supply Chain. Washington, DC: U.S. Government Accountability Office, 2010.
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