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平行光の考察

平行光の考察

コリメート光とは、ビーム内のどの光線もが他の全ての光線と平行になっている状態を表します。コリメート光を作るには、正の焦点距離をもつ光学系から焦点距離分離れた位置に非常に小さな光源を配置するか、或いは無限遠から点光源を観察するかのいずれかで可能になります。しかしながら、現実の世界においてはどちらのケースも可能とは言えません。仮にどちらかのケースが行えたとしても、光の回折理論により僅かなビームの拡がりが生じます。

コリメート光のビームの拡がりを最小化するには、2つ要素をバランスさせなればなりません。それは、コリメートシステムの焦点距離と光源のサイズです。以下の公式 (1)は、コリメート光のビームの拡がりの大きさを近似します:

(1)$$ \text{ビーム拡がり} \approx \frac{\text{光源のサイズ}}{\text{コリメートシステムの焦点距離}} $$

理想的なコリメーションを実現するには、照明の光源のサイズを最小にするか、或いはコリメートシステムの焦点距離を長くしなければなりません。なおコリメートシステムの焦点距離を長くするということは、システムと光源間との距離を物理的により離していかなければならないことを意味します。その結果、システムによって実際に取り込むことのできる光の量が少なくなり、集光する際の全体的なパワーが減少するトレードオフが発生します。

光をコリメートする際、ある程度のビームの拡がりは常に存在します。以下の図ではどのシステムでもコリメート光を作り出しますが、Figure 2 と 4 の方は使用する光源がより大きなために、Figure 1 と 3 に比べて得られるビームがより拡がっています。Figure 2 と 4 のコリメーションは、理想的な点光源をシステムにより近づけて配置した時の集光とみなすことができます。個々の光線は、各ポイントでは平行光束を作り出しますが、連続した“点光源”の集まりは、光束全体として見るとある程度拡がっています。光源のサイズが大きくなると、光源の光軸からの距離が長くなるため、ビームが拡がってしまい、光束全体の角度は光軸に対して増加する方向になります。

Figure 1: Ideal Point Source with a Refractive Collimator
Figure 1: 理想的点光源と屈折式コリメーター
Figure 2: Real Source with Height y and a Refractive Collimator
Figure 2: 光源高さ y を持つ現実の光源と屈折式コリメーター
Figure 3: Ideal Point Source with a Reflective Collimator
Figure 3: 理想的点光源と反射式コリメーター
Figure 4: Real Source with Height y and a Reflective Collimator
Figure 4: 光源高さ y を持つ現実の光源と反射式コリメーター

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