在庫販売品を用いて“あなた仕様”の光アイソレーターを構築する
透過光学素子 (ターゲット面)にレーザービームを照射するアプリケーションの多くでは、ビームの一部が同素子表面で再帰反射し、レーザー光源のビーム出射開口に戻ってしまう問題が生じます。これは、レーザー光源にオーバーヒート現象を引き起こし、レーザーの動作安定性や製品寿命の低下を招きます。この再帰反射の問題は、レーザーの偏光状態を円偏光に変換し、光の進行方向を一方向のみに規制する機能を持つ光アイソレーターを用いることで解消できますが (Figure 1)、市販の既に完成された光アイソレーターは、価格が一般に高価になりがちです。価格最優先のシステムに向けては、在庫販売光学部品で組み上げた、高性能で低価格なパッシブ型光アイソレーターが利用できます。Table 1に、“あなた仕様”の光アイソレーター (Figure 2)を組み上げる際の構成部品リストを紹介しました。なおリスト中のキューブ型偏光ビームスプリッターと波長板は、使用するレーザーの波長やアプリケーションに基づき選定される必要があります。
Figure 1: キューブ型偏光ビームスプリッターとλ/4 波長板で構成される光アイソレーター
Figure 2: 当社の在庫光学部品で組み上げた費用対効果の高い光アイソレーター
光アイソレーターの組み上げ方法
- キューブ型偏光ビームスプリッターをCマウントキューブハウジング内に固定する。
- Cマウント 両オス回転リングをCマウントキューブハウジングの透過ビーム側ポートにねじ込み接続する。
- 波長板をCマウント アクロマートレンズホルダー内に固定する。
- 波長板を固定したホルダーを上述のCマウント 両オス回転リングにねじ込み装着する。この時、波長板の高速軸がキューブ型偏光ビームスプリッターの透過軸に対しておおよそ45° の方位角になるように両オス回転リングのリングを回し、波長板の向きを調節する。
- レーザービームをCマウントキューブハウジングの入射側ポートから入れ、ターゲット面から戻ってくる再帰反射ビームの消光が最大となるようにCマウント 両オス回転リングの角度位置を決めて、方位角の最終調整を行う。
Table 1: 光アイソレーター組み上げの構成部品リスト | |
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品名 | 商品コード |
25mm キューブ型偏光ビームスプリッター | アプリケーションに依存 |
TS Cマウント キューブ型B/S用ハウジング (25mm角キューブ用) | #56-263 |
TS Cマウント 両オス回転リング | #53-865 |
TS Cマウント アクロマートレンズホルダー 25-25.4mm | #56-354 |
λ/4 波長板 φ25.4mm | アプリケーションに依存 |
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