レーザーオプティクスにおける吸収
本ページはレーザーオプティクスリソースガイドのセクション8.1です
レーザー光は、いくつかの仕組みで光学基板内部で吸収されます。光学的媒質を構成する原子の各エネルギー準位にある電子が光子を吸収し、半安定的な高エネルギー準位に遷移します。この原子は、その後電子が低いエネルギー準位に戻る際、自然放出により蛍光して発光 (光子を放射) します。この意図しない蛍光は、エネルギーの損失を招き、信号検出に影響を及ぼすので、レーザーオプティクスのアプリケーションでは有害になることがあります。蛍光は、多くの場合ほぼ等方的で、全ての方向に対して放射するので、問題はさらに悪くなります。蛍光は、希土類のイオン元素などの不純物が基板内に含有していることで通常起こります。
例えば、UVグレードの合成石英は、UVや可視スペクトルにおいて高透過率が得られますが、水酸化物 (OH基) イオン不純物によって1.4µm, 2.2µm, 2.7µmの各波長を中心に透過率の落ち込みがあります。一方、IRグレードの合成石英は、OH基イオンの量が少なく、NIRスペクトル全体でより高透過率となります (Figure 1)。More information can be found in our UV vs. IR Grade Fused Silica application note.
Figure 1: Transmission data for UV and IR grade fused silica for a 5mm thick sample without Fresnel reflections1
光学的媒質も、熱エネルギーもしくは熱の形で放射を吸収することがあります。ホットスポットは、材料の不均質性か表面下の損傷によって生じる局部的な過剰加熱で、オプティクスの性能低下をさらに加速させます。UVやX線のような高エネルギー放射に晒されると、変色して特定の波長帯を吸収するカラーセンターを作り出してしまい、吸収が更に増えます。そのため、オプティクスの損傷を軽減するために、レーザー放射を始めとする各種放射がどの硝種でどのように吸収されるのかを理解していくことが重要になります。
参考文献
- “Corning HPFS® 7979, 7980, 8655 Fused Silica.” Corning, February 2014.
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