フレネルレンズは、薄く平らなアクリル樹脂に、階段状かつ同心円状に鋸波型の溝を密に施したものです。各々の溝が小さな屈折面 (プリズム面)として働くことにより、全体としては一枚の大きなレンズと同じ機能をはたします。ある種のフレネルレンズは拡大鏡としても利用されますが、眼に対するストレスは球面レンズのそれよりも大きくなります。同一焦点距離の場合、板厚の薄いフレネルレンズの光線透過率は、ガラス製のレンズよりも通常高いため、太陽光の集光用途には特に利用されます。またオーバーヘッドプロジェクター (OHP)の拡大投影用レンズとしても広く利用されています。
適切なフレネルレンズを選択するには、そのサイズや焦点距離も重要なファクターですが、レンズにより得られる集光効率や像の品質等も考慮に入れる必要があります。一般に溝のピッチが少ないほど、得られる正立像 (虚像)の品質が高くなるため、拡大鏡等のイメージング用途に適します。一方、溝のピッチが多くなるほど集光効率が高くなるため、この場合はコンデンサー用途に適します。
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