照明用途において光の拡散整形は頻繁に行われますが、従来使用されてきた標準的な摺りガラスやオパール光拡散ガラスの場合、拡散光の透過効率が余り高くないことや、拡散角度が必要以上に拡がることによるエネルギー効率の低下などがシステム設計上の障害となることがありました。この対策として、従来は高出力光源の使用や、レンズやフィルターなど光学素子の追加など、この問題を解決するのに結果的に必要以上にコストがかかっていたのも事実です。
ホログラフィックディフューザーは、これらの問題を解決することのできる理想的なホログラフィック光学素子です。基板上に施された特殊ホログラムパターン (約5μmの非周期な凹凸パターンの集まり) により、光の拡散角度を任意の角度に設定でき、また85%以上の高透過効率を実現します。基板はポリカーボネイト製、一方のホログラムパターンはエポキシ製 (UV硬化にてパターン形成) で、可視から近赤外の波長帯まで波長依存性がなく、高透過効率が維持されます。偏光依存性や色ズレもありません。
多くのホログラム素子と異なり、このポリカーボネート製の部品は、可視と近赤外の両方で光を透過します。透過光のゼロオーダー、あるいは正透過成分は、可視波長では1%未満ですが、700nm超の波長で用いると高くなる場合があります。
エドモンド・オプティクスでは拡散角度がXY方向で同一な円整形ディフューザーと、XY方向で大きさの異なる楕円整形ディフューザーをご用意しました。どちらもアルミ製の金枠のついた枠付きタイプと、金枠の付いていないシートタイプが選べます。シートタイプは薄いシート状のため、好きな大きさに裁断するのが容易で、試作・実験用途に最適です。なお枠付きタイプの方は、ディフューザー4枚1組をセットにしたディフューザーキットもご用意しています。
ホログラフィックディフューザーの代表的用途:
下記に掲載の拡散角度は、入射光に平行光を用いた時の値であり、平行光入射に対して最も有効に機能するようデザインされています。本製品の場合、拡散角度は最高輝度の半値が得られる角度として定義し、全角で表示しています。拡がり角を持った光が入射した場合は、その発散角により得られる拡散角度も異なってきます。
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