フッ化バリウム (BaF₂) ウインドウ

TECHSPEC® フッ化バリウム (BaF₂) ウインドウは、深紫外から長波赤外に及ぶ広帯域透過特性により、赤外分光を始めとする様々なアプリケーションに用いられます。フッ化バリウム (BaF₂)の1.48という低屈折率は、反射防止 (AR)コーティングなしでも高透過率が得られます。フッ化バリウム製のウインドウは、乾燥した環境下で800°Cまでの使用に耐えることができますが、高湿環境に長期にさらされた場合は、真空紫外域において透過率が低下します。フッ化バリウム製のウインドウの耐水性は、フッ化カルシウムに比べて低いものの、フッ化物系の光学材料の中では高エネルギー照射に対して最も高い耐性があり、UVにおける透光性は反対に低い性質があります。BaF₂のヌープ硬度は82です。

補足：BaF₂ウインドウは、熱衝撃に対してとてもデリケートです。

フッ化バリウムは、高速シンチレーターで、X線、γ線、或いは陽電子放射断層撮影 (PET)における511keVガンマ光子のような高エネルギー粒子を検知するために用いられます。またパルス波形弁別法を用いて高エネルギー中性子を検知し、同時に発生するガンマ光子から分離するためにも用いられます。