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2位相型ロックインアンプ

2位相型ロックインアンプ

2位相型ロックインアンプ

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  • 2位相分解による振幅、位相、相対比率 (R)の演算算出
  • X, Yオフセットコントロール
  • 3μV~1V内までの広ゲイン設定
  • 差動入力、或いは片線接地入力に対応
  • 時定数設定 100μs~30s (全11段階)
  • 位相を90°ステップ、或いは微調制御可能

雑音に埋もれた交流信号の振幅 (RMS)を計測するために用いるロックインアンプは、オプティカルチョッパーを用いた光計測用途に効果的な測定器です。オプティカルチョッパーを通して試料に入射したパルス光は、試料の光吸収によって振幅の状態が変わります。この微弱な被検信号をロックインアンプで検出し、かつ同チョッパーから別経路で入力された参照信号との比較により、試料の吸光特性を計測することができます。またオプティカルチョッパーを用いた測定方法以外にも、ロックインアンプは様々な測定用途に利用できます。ロックインアンプは、交流電圧計の一種と見なすことができますが、耐雑音性に優れ、微弱な交流信号の振幅や位相、或いは小さな位相変化を高感度で測定検出できる特長があります。ロックインアンプの性能を端的に表すダイナミックリザーブ (被検信号電流に対するノイズ信号電流の比) のスペックは、60dBです。これは、被検信号電流の1000倍の大きさのノイズ電流が含まれていても、本機で計測可能であることを表しています。但し上述の通り、測定の際は、比較参照用の信号 (参照信号) が必ず必要となります。

本ロックインアンプ (アナログ方式) は、2位相型を採用しています (但し1位相型としても使用可能)。一般的なロックインアンプ (1位相型) の場合、交流信号の振幅 (RMS) を求めるためには、被検信号と参照信号間の位相を合わせる作業が必要となります。これに対し2位相型の場合は、被検信号をXとYの2つの直交するベクトルに分解計測し、演算処理によって振幅と位相の両方を求めることができます (1位相型では位相を測定することはできません)。そのため、1位相型の際に必要となる位相調整作業が不要となります。XとY成分に分解された信号は、ロックインアンプの検波・増幅回路に入る前の段階で、抵抗器とコンデンサ各1個で構成された1次フィルター2段を通り、測定誤差の要因となる高調波成分が事前に除去されます。

本製品の入力形式は、信号源の出力形式に合わせて、差動 (ディファレンシャル) 入力と片線接地 (シングルエンド) 入力の両方に対応します。片線接地入力は、信号源が接地されていない場合に使用し、対する差動入力は差動出力の信号源に対して使用します。なお差動入力では高インピーダンス、或いは低インピーダンス (100Ω) 入力に対応します。徹底したロックイン設計により、1Vから300μVまでのゲイン設定に対して雑音信号による飽和が生じないよう、±10VまでのDCオフセット入力ができます。また100μVから10μVまでの同設定に対しては±1V、更に3μVの同設定に対しては±300mVのDCオフセット入力が可能です。

ロックインアンプ内の参照入力信号回路は、被検信号の周波数レンジ上でロックするために、TTLパルス波 (方形波) や正弦波の位相ロックループを働かせます。正弦波は、入力信号に含まれる奇数次高調波 (ロックインの際に誤差の要因となる) の影響を低減します。また移相回路 (フェイズシフタ) も搭載されているため、参照信号と被検信号の位相差の調節も可能です。参照信号と同じ周波数を持つ信号 (基本波) の測定だけでなく、同信号の2次高調波の測定も可能です。高調波の測定機能は、抵抗の2次微分等の測定の際に便利です。

補足: ロックインアンプは、入力電圧設定を間違ったまま操作してしまうと損傷する場合があります。電圧は115Vでデフォルト設定されて出荷されるため、220Vの電圧地域の国で用いる場合はそれを変更しなければなりません (日本で使用する場合は115V設定でOK)。電圧設定は機器の背面側にあります。電圧設定の変更に関する更なる情報は、ロックインアンプに付属するユーザーマニュアルをご確認ください。

 
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